すばる舎リンケージ

賃金見直しマニュアル

「賃金」に関する文書
「賃金体系や理論が複雑で運用しづらい」「年々膨らむ人件費を抑えたい」など、会社の賃金制度にお悩みの方に最適なシートです。このシート1枚で、賃金の見直しができます!
テンプレートはすべて、すばる舎発売の『賃金見直しマニュアル』でご紹介しているものです。本書と併用していただくことで、より一層理解が深まり、活用の幅が広がります。

賃金体系表
アドバイス【1】 基本の考え方と評価段階数について
アドバイス【2】 基本シートの記入方法について

アドバイス【2】 基本シートの記入方法について

※「賃金体系づくりの基本シート」は、会社の賃金体系を見直したい経営者の方に最適なシートです。活用のアドバイスでは、シートの基本的な考え方から具体的な記入方法までを解説しています。「賃金体系表記入例」と併せてご活用ください。

1. ポリシーラインを記入する

シートに「ポリシーライン」を入れ、基本型をつくり上げる。

(1)18歳のスタートの賃金(18歳1等級)を記入

記入例:16万円に設定する。

(2)22歳の賃金(22歳2等級)を記入

記入例:大卒者ということで、22万円とする。高卒者が3段階評価の普通評価2等級をもらっていれば、22歳の時点で、大卒者の新入社員と同じ額になる。

(3)30歳の賃金(30歳3等級)を記入

記入例:5段階評価の普通評価3等級を継続していれば、30歳で26万円とする。

(4)40歳、50歳、59歳の賃金(各5等級)を記入

記入例:31歳からは9段階評価に変わる。普通評価である5等級の場合、40歳で36万円、50歳で45万円、59歳で45万円となる。記入例では、世間相場である数字を記載している。

◆ポリシーラインについて

各年齢での世間相場となる賃金の額を表す。実際に自社で賃金体系をつくるにあたっては、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」、各都道府県の労働部、各地の商工会議所の賃金統計を参考にするとよい。

2. 18歳から22歳までの数字を埋める

記入例では、18歳で16万円からスタートして、22歳2等級で22万円と設定している。「22万円ー16万円=6万円」。6万円を4年間で埋めていくので、 「6万円÷4年=1万5000円」になる。18歳で入社して、普通評価2等級を続ければ、1年につき1万5000円の昇給となる。

次に、22万円の普通評価2等級を中心として、上下の等級の差をどうするかを決める。この段階ではまだ半人前なので、上下の賃金格差は「5%」としておく。    

<22歳での上限と下限>
 ◎上限 22万円×1.05=23万1000円
 ◎下限 22万円×0.95=20万9000円  
<19歳から22歳までの賃金上げ幅>
 ◎上限 (23万1000円ー16万円)÷4年=1万7750円
 ◎下限 (20万9000円ー16万円)÷4年=1万2250円

この幅で昇給することになる。シートに18歳から22歳までの空欄部分を埋めていける。

今回の賃金体系記入例では、30代で上下10%、40代で上下20%というように、賃金格差の幅を定めている。この割合が企業戦略となり、年齢区分の賃金体系における個人の大きな評価の分かれ目になる。

●評価の幅が変わる際の記入方法

22歳と23歳の評価段階のように、分岐点で3から5段階に評価の幅が変わるときは、1・2・3等級を2・3・4等級にスライドさせる(記入例シート★の欄に数字をスライドさせて記入)。その後、記入例の計算方法で、数字を埋めていく。評価段階が5から9に変わる30歳時も同様に数字をスライドさせる。

3. 23歳から30歳までの数字を埋める

(1)まず23歳から30歳までの普通評価の賃金上げ幅を決める

30歳の普通評価である3等級の26万円から、22歳の普通評価2等級の22万円を引くと4万円になる。これを8年で割ると1年につき5000円の昇給となる。そこで23歳の3等級は22万5000円になる。同様に、24歳から30歳までの3等級を記入する。すると、30歳時の3等級は26万円になる。

30歳での最高評価である5等級は、普通評価である等級26万円の1.1倍(10%アップ)で28万6000円となり、最低評価である1等級は0.9倍(10%ダウン)で23万4000円と決定できる。また、4等級は1.05倍(5%アップ)で27万3000円、2等級は0.95倍(5%ダウン)で24万7000円になる。

(2)次に、23歳から29歳までの1・2・4・5等級を記入する

22歳の数字をスライドさせて埋めた★の欄を基本に、賃金の上げ幅を計算していく。

 
◎4等級の計算方法

★で23万1000円、30歳では27万3000円と設定してある。
「27万3000円ー23万1000円=4万2000円」。4万2000円を8年間で埋めていくので、「4万2000円÷8年=5250円」となり、1年につき5250円の昇給となる。

 
◎2等級の計算方法

★で20万9000円、30歳では24万7000円と設定してある。
「24万7000円ー20万9000円=3万8000円」。3万8000円を8年間で埋めていくので、「3万8000円÷8年=4750円」となり、1年につき4750円の昇給となる。

 
◎1等級、5等級の計算方法

5等級は、23歳時の4等級の23万6250円より上で、30歳で28万6000円になるように、切りのよい数字で幅を決める。
1等級も同じように2等級の21万3750円より下で、30歳の23万4000円になるように、切りのよい数字で幅を決める。

4. 31歳から40歳までの数字を埋める

30歳時の数字をスライドさせた★の欄を基本に、普通評価の賃金の上げ幅を計算する。
40歳の普通評価である5等級の36万円から、★30歳の普通評価の26万円を引くと10万円になる。これを10年で割ると1年につき1万円の昇給となる。これで、31歳から40歳までの普通評価5等級の数字が埋まる。

次に、40歳時の最高評価である9等級と最低評価である1等級の数字を埋める。40歳の普通評価である36万円の1.2倍と0.8倍(20%アップと20%ダウン)を算出する。それぞれ43.2万円と28.8万円だ。

次に、8〜6等級を等間隔で埋める。計算式は、(43.2万円ー36万円)÷4=1万8000円となる。等級が1つ上がるごとに、1万8000円を足していく。以下、4〜2等級も同様の考えで計算する。等級が1つ下がるごとに1万8000円を引いていく。31歳から39歳の空欄も、同じ計算方法で埋める。

5. 41歳から50歳までの数字を埋める

まず、50歳時の最高評価である9等級と、最低評価である1等級の数字を埋める。50歳の普通評価である45万円の1.2倍と0.8倍(20%アップと20%ダウン)を算出する。それぞれ54万円と36万円だ。

次に、41歳から50歳までの普通評価の賃金の上げ幅を決める。50歳の普通評価である5等級の45万円から、40歳の普通評価である36万円を引くと9万円になる。これを10年で割ると(45万円ー36万円)÷10=9000円となる。1年につき9000円の昇給になる。以降、8〜6等級、4〜2等級の数字は、31歳から40歳までの計算と同様にして埋めればよい。

6. 51歳から59歳までの数字を埋める

51歳から59歳は横ばいなので、50歳の数字をそのまま使用する。

7. 60歳以上の数字の記入について

60歳以上は空白にしておく。個別に対応することだが、70歳まで雇用したいという意思を示すために、空欄であっても欄は必要である。

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